2008年11月20日木曜日

歩いて巡回


        記11月8日(土)
 勤務先は土日休日だが、市の教育局は土曜まで。
識字教室は土日に関係なく行われている。
 識字教室の開始から終了までを見学したいと希望し、再びPOLUTへ来たのだった。
初めて一人でペテペテに乗って巡回先まで行くことになっていたが、行く準備をしていると電話が鳴り、担当者の上司が車で迎えに来てくれることに。
一人でペテペテに乗って現地に行くことはできるが、わざわざ迎えに来てくれるなんてこういう気持ちはとてもありがたいなぁ・・・と思う。
 市の教育局には少し早めに着いたので、識字教室の開始時間まで近所をぐるぐる。
教育局の裏には小学校があり、ちょうど休み時間中の子どもたちが元気に遊んでいる。
インドネシアでは、休憩時間は校舎外に自由に出て行くことができるようだ。
近くのお店でお菓子を買って食べたりも出来る。
だから今日も、教育局の庭で鬼ごっこをしている姿があったり、学校の敷地内にちょっとした駄菓子やさんが休憩時間中だけ店を広げていたりするのを見ていた。
駄菓子やではチョコレートや、お菓子、手作りのパンなどが売られている。
 今後の仕事の参考に、この駄菓子やさんで何を売っているのかリサーチしたいと話すと、
また別の店に連れて行ってくれた。

 その店は中学校の向かいにあり、駄菓子や兼出店のような感じになっていて、そこで簡単な軽食を食べることが出来る。
料理としては、かきあげのようなもの、芋をあげたもの、スープなど。
とても安く、子どもたちに提供している。
また、チョコや溶かして飲むジュースの粉なども売っており、休み時間は子どもたちでいっぱいになるらしい。
子どもたちが休み時間になる少し前に寄ったので、じっくりと料理を作る様子や店の様子などを見ることができた。もちろん味見といって、食べたりして・・・
安くておいしくて、とても感激!
これなら子どもたちに人気があるのもうなずけるという感じ。
私たちが食べ終わる頃に、ちょうど子どもたちがやってきはじめた。
こちらの学校では、7時半頃には登校なので、子どもたちは6時台に朝ごはんを済ませているから、ちょうど10時半頃はおなかがすくようだ。
中学生だったので、もりもりと食べていた。(写真)
この店はとても繁盛しており、成功しているようだ。
 
このような出店や駄菓子屋がうまく開けるシステムを考えたいと思っている。
職業訓練校で、出店開店講座のようなものが開けたら、おもしろいなぁ・・・と思っていると担当者に話したら、それは面白いとのってくれた。
実際できたら面白いと思うが、問題は単価が低く利益が薄いこと。
市場で売っているものもそうだが、利益が薄すぎてほとんど儲けがないのがこの土地の人の仕事の現状だ。
もう少しモニタリングを重ねて、実際できるとよいと思っている。

 次におととい見せてもらった伝統菓子を、市場で売っている様子を見に行く。
この市の市場もすごく活気があり、物が所狭しと売られている。
見ているだけでも面白く、目移りしながらあちこちとぐるぐる。
伝統菓子の売り場を発見!
販売状況が分かり、菓子作りから販売までの一連の流れが分かった。

 寄り道をしながら、歩いて識字教室のある村へ。
予定時間よりだいぶ遅れてしまった。
とはいっても、識字教室の先生は私と一緒に行動していたのでまだ授業は始まっていない。だいぶ時間が遅くなったなぁ・・と心の中で思いながら教室となっている民家に着くと、まだ誰一人来ていない。
話を聞くと、メンバーの人たちは、みんなさっき寄って来た市場で物を売ることをなりわいとしているとのこと。
だから、物が全て売れれば帰ってくるけれど、売れないと売れるまで市場に居なくてはならない。
メンバーの中には、勉強が大事といって時間で帰ってきてしまう人も最近はいるという話。
私たちの到着を見て、一人、また一人と徐々に集まってきた。
予定より約1時間くらい遅れて授業が始まった。
 この授業の面白いことといったら!
生徒は10人くらいなはずなのだが、近所の人たちがどんどん集まってきて、子どもも沢山いてにぎやか。
すでに学習を終え、読み書きが出来るようになった人も集まってきて、まだ出来ない人に教えたりしている。
授業とは言うけれど、とても和やかで笑いの絶えない時間。
見ているこちらも思わずほほえんでしまうような、いい雰囲気の授業だった。
2時間の学習の予定だが、ちょうどお昼時だし子どもたちも長時間お母さんなしではいられないこともあり、毎回そこそこできりあげているようだ。

 続いて歩いて3分くらいの、別の識字教室へ。
今日同行してくれた2人の担当者が先の教室とこの教室をそれぞれ教えているそう。
この授業もいい雰囲気ですすめられていた。
よく聞いていると、2人とも教え方が上手で楽しそうに授業をしている。
いろいろと質問をしているが、生徒はまるで子どものように無邪気に答えているのが見ていてとてもほほえましかった。
分かるということは面白いのだ。
嬉しそうに答えるおばあさんを見て、そう思った。
年齢は、もう70歳近いというおばあさんも、楽しそうに一生懸命勉強している。
宿題も出るようで、やってきたとか、やれなかったとかおばあさん同士で話している。
少しずつだが新しい単語を覚え、嬉しそうに学んでいる姿を見ていると、日本の子どもたちにこの様子をみせてあげたいなぁ・・・と強く感じた。
孫に教わりながら、アルファベットを書くおばあちゃん。
一桁の足し算引き算を、一生懸命計算しているおばあちゃん。
どれも日本では考えられないことだが、これが日本の教育の質の高さなんだなと感じた。
もちろんインドネシアも今は義務教育が浸透しつつあるから、これからの人は違うのかもしれないけれど。

 帰りも歩いて市の教育局へ。
市の教育局からは、別の人が送ってくれることに。
結局ペテペテは使わず済んでしまった。
親切な周りの人たちに感謝!

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