2009年5月16日土曜日

旅の終わりに・・・





     4月12日(日)
 インドネシア国内旅行さえ、まだろくにしていない私だが、
今回の同期隊員の任地訪問は、
予想以上に収穫が大きかった。
自分の活動を見直すとともに、肩の力がぬけた感じ。
 この山が、私にそうさせたのだろうか?
山のふもとの生活が、いろいろな事を思い出させてくれた。

キャンプ場から空を見上げたように、
今はこの地の空を見上げる。
自分を見失わないために、
自分らしく生きられる場所を見つけること。
簡単にできそうで、できないものだなぁ。
そういう場所を作っていくことも大事。

* 写真は山のふもとの畑の様子。
キャンプ場の下の畑に様子が似ていると思いませんか?

村の子どもたちと遊ぶ!





 同期隊員のホームスティ先の家の前は、ちょっとした丘のようになっている。
家の前に芝生の生えたような空間があり、
夕方になると村の子どもたちが遊びに来る。
私もこの時間は毎日、昼寝も兼ねて芝生に寝転んでいた。
キャンプ場ではいつもこうして昼寝をしていたものだが、
あいにく任地にはこんなふうに寝転べるところが少ない。
だから、つい嬉しくて毎日ここでごろごろしていたのだ。

 今日はいつもより多くの子どもたちが集まってきていて、
寝ている私はいつの間にか子どもたちに囲まれてしまった。
子どもたちが遊ぼう!というので、
キャンプ場でよくやるレクゲームをいくつか。
命令ゲーム・キャッチ・どんぐりころころなど。
もちろん言葉が全て通じるわけでなく、
その点は得意の雰囲気でおぎないながら、
久しぶりに私自身が夢中になってゲームをしていた。

子どもたちの大きな笑い声が、山のふもとで広がる。
こんな時間を村の子たちと過ごすために、
インドネシアに来たのだったなぁ・・・
と、初心を振り返りながら
今の自分の活動を思う。
まだまだ、できることややりたいことはたくさんある。
一つずつ実行していくしかない!
いつも、子どもたちが力をくれる。
この想いは、国を問わず同じようだ。

お菓子作り!



 インドネシア人はお菓子作りが得意!
この村で一番の菓子作り名人がいるということで、
活動の参考にしたいと、会わせてもらった。
この人に会うことが、今回ここへやってきた目的の一つ。
同期隊員の家からは少し離れていて、山を登ったところにある。
 この家は高床式で、下ではニワトリを飼っている。
だから、タマゴは豊富にある。
すでに殻にヒビの入ってしまったものを、お菓子作りに用いている。
 
 日本の菓子作りの本には、「お菓子作りは計量がポイント!」
と書いてあるが、この国の人たちは全て目分量。
でも、どのお菓子もおいしく作る。
話をしながら、テキパキと材料を混ぜ、
20分もしないうちにケーキの種ができあがった。
蒸してあっという間にできあがり。
もちろん、味もばっちり。
できたお菓子は、遊びに来ていた人たちみんなに分けて、
そんな感じでお菓子作りは終了。

 手際のよさに目をみはり、

またみんなでワイワイ、本当に楽しそうに
お菓子を作る村の人たちとの時間がすごく暖かかった。

これらのお菓子を私の任地でも作り、村の人に教えるつもり。
まだまだレシピがあるようなので、
また次回も教わらなくちゃ!

マンゴーの木登り



 インドネシアでの活動以外でやりたいことに一つに、
木登りがある。
そもそも、木に登り収穫することが好きなのだ。
日本に居たときも、
梅の木・柿の木・ざくろの木・・・
木に登って夢中に果実を取りまくった!
そして、それらを果実酒に!
あー思い出しただけでも、楽しい気分!

 散歩していると、木登りに適したマンゴーの木を発見。
もちろん果実が実っている。
登っていいよといわれたので、早速挑戦!!
この時期のマンゴーは果物としてではなく、
魚の付け合わせとして食べる。
日本人が大根おろしをつけて食べるように、
スラウェシの人はマンゴーの実を細切りし、魚と一緒に食べる。
まだ若いマンゴーの実はすっぱいが、酸味がうまい。
インドネシアでも、この地方の人たちしか食べないそう・・・
ホームスティ先の食事にも、必ずと言っていいほど出てくるものだ。

 という訳で、マンゴーはみんなにとってうれしい食べ物。
2~3mのところまで登り、手を伸ばすと
そこにはまっさおに実ったマンゴーが!!
その収穫の瞬間といったら!!

 ちょっと登っただけで、見える風景は違っていて、
いろいろな角度から見ると、
同じものも違って見えるのを感じた。
 私の活動も同じ。
どんな角度から見ていくかで、やるべきことも違ってくるようだ。

ヤシの木に登る!





 ヤシの実ジュースを飲もうということで、


村の男の子が誘いに来てくれた。
この辺のヤシの木は、任地のヤシの木よりだいぶ背が高い。
見上げてしまうほどの高さだ。


一緒についていくと、
なんとそのヤシの木にするすると登っていった。
何メートルあるのだろうか?
腕の力だけで登っていく。
ヤシの木に登る姿は初めて見たので、
その軽やかさに目が釘付けとなってしまった。
思わず動画もとったほどだったが、
機会があれば早く日本の子どもたちに見せたいものだ。
きっと驚くに違いない!!

同期隊員の任地で



          



          2009年4月9日~
 南スラウェシ州だが、マカッサルと反対方向の県に住む同期隊員の家に宿泊。
彼女は農業の専門で、村で生活をしている。
 タカラール県は主に海に囲まれている地域なのだが、
それに比べてここは山のふもと。
この村に向かう山道のうねり具合が、私のキャンプ場を思わせる。
キャンプ場のある山のふもとの村と、どこか風景が似ているのだ。
山を見上げながらふもとに向かうと、そこにはキャンプ場が・・・
というのは、日本での私。
ところが、なんとこの山のふもとにも、
キャンプ場のような広場があり、家があった。

村の人がとても穏やかで優しい。
この地はタカラールのマカッサル人とは違いブギス人だということで、
顔も違うし、言葉も違う。
タカラールの人たちよりも、穏やかな雰囲気を持つ。
山のふもとでの暮らしは、田畑を耕すことから始まり、
家や、なたの鞘、農耕道具など手作りのものが多く、
本当に私のキャンプ場を思い出した。

 ここでの時間はなんともあらわしがたいが、
とても充実していて、ゆったりと暮らした。
こんな風な生活が、やはり私には合っているのだ!
と再確認。
田舎暮らしを大満喫してきた私は、やはり田舎育ちをかくせない。
村人は、女性が畑仕事をするのはあまり賛成ではないようで、
私や彼女が働いていると、大変だからと力を貸してくれる。
「日本の女性は強いなぁ・・・!」
なんて言われて、複雑な心境?

ここでは無理してがんばる必要がなく、
できないことをできないと言って、力を貸してもらえる。

この村は、
「自分が自分らしく居られる場所」だと、同期隊員は言った。
そんな場所をすでに見つけられた彼女を、
ちょっとだけうらやましく思った。
インドネシアでの生活は、知らず知らずのうちに我慢したり、自分を譲ったり
そういう事が多く、「自分らしさ」を
貫くことが、場面によっては難しいと感じていたから・・・
この言葉がとても印象的だった。

* 山のふもとの写真。紅葉ではなく、太陽の加減でこんな風に見えた。
 ちょっと秋の景色のようで、なつかしかったのでパチリ!

2009年5月3日日曜日

赴任8ヶ月終了!

           2009年3月31日(火)
 インドネシアに来て9ヶ月、任地生活8ヶ月目が今日で終わる。
日本は年度末で、ここに桜はないが春が来ると1年が過ぎたように感じるのは、
学校生活が身についているからだろうか?
 日本のさくらを恋しく思いながら、この地で春を迎える。
ここも雨季から乾季に季節は移り、
日に日に雨は降らなくなり、暑い日が増えている。

 春はあらたな旅立ちのとき。
日本のみなさんも、新しい生活が始まっている頃でしょうか?

中古車を購入



     2009年3月20日(金)
 我が家には車がない。
中流階級だとは思うけれど、そんなに裕福な家庭ではない。
若夫婦は30台前半。まだ若くて子どもも小さい。

 そんな家に、なんと・・・
車がやってきたのだ!
そういえば、数日前に車を買いたいんだよねと話していたような。

 購入した車は
KIJANGというTOYOTA車?
この地方では良く走っていて、なじみのある車種だ。
たいていは、外国でしっかり走っていてお払い箱になったような、
何十万キロも走った車が再利用?されている。
この車も、1988年の車だという。
速度計は壊れていて、時速何キロで走っているのかは謎。
見るからにオンボロの車だが、

ここでは車を持っているだけでかなりのステイタス。
 我が家のパパはまだ運転ができないので、

動かすときには友人に運転してもらっている。
広場で練習をし、上手になったら警察に届けるんだそう。
日本のように教習所のようなものはないようで、
知人から教わるのが一般的だとか。
恐るべし。
でも、みんな器用に乗りこなしている。

 今日はこの車に乗って、初めて家族で外出。
(運転はパパの友達)
今まで親戚の家に行く以外は家族で外出はしたことがなかったので、
楽しかった!
子どもたちはデパートに行きたいとはしゃぎ、
ママは洋服を買いに市場(日本の古着屋通りみたいな所)に寄り、
パパは車屋で嬉しそうに部品を買っている。
こんなふうに休日を過ごしていたんだなぁ・・
とあらためて知ったりして、家族の意外な一面が見られた。

料理コンテスト!


  

    2009年3月14日(土)
 ここはNGOの施設。
JICAの協力で建てられた公民館のような施設とのこと。
このNGOには、過去に4人の協力隊員が派遣されている。
施設には、隊員の活動した軌跡ともいうべき数々の作品が掲示されていた。

今日は他隊員とともに、このNGO企画のイベントに参加。
内容は、なんと!
料理コンテスト!
内容は、キャンプの料理コンテストとほぼ同様。
春宝のように、決められた金額で材料を買いそれを使用して作るというもの。
久々に、沢山の子どもたちを前に、それこそキャンプ気分でワクワク。
この国の子どもたちがどんな料理を作るのか、とーっても楽しみだった。

参加者は小5 約50名。
校長先生がユニークな方で、行事に協力してくれているという。
このコンテストの主旨は、インスタントラーメンの食べ方の栄養改善。
この国の人は、インスタントラーメンが大好き。
毎食のように食卓にあがる。
ラーメンをおかずにご飯を食べるのだ。
子どもたちは、調理していないものを
そのままかじってスナックのように食べることも多い。
ただし、ここでは野菜や卵を入れて食べたりはせず、
純粋に麺のみをゆで、食べるのだ。
この栄養面を改善しようと、料理コンテストが手がけられたのである。
キャンプでは、市場でそれぞれの班が材料を買いに行くわけだが、
ここではあらかじめ家で準備してきた予算内のものを持参。
早速料理作りが始まる。

 包丁の使い方、火の扱い方。
集団の動かし方。
私の所属していたキャンプ場ではタブーとされていたことばかりで、
安全面では危ない!ことの連続で、ヒヤッとすることもしばしば。
安全に関しては、すでに自分の身に染み付いているものが
危険を訴えるのだけれど、
協力者のいないここでは、一苦労。
キャンプ場では、子どもたちが安全に活動するために
リーダーが常に気を配っていたものだったが、
これはキャンプ場でのリーダー訓練のたまものだったのだ。
意識のない人たちの中では、どうってことのないこと!
と済まされてしまう・・・
 この点については、考えるところがあったがコンテスト自体は楽しくすすめられ、
自主的に子どもたちが作業している姿はよかった。
時々お母さんや大人たちが作業を奪ってしまうことがあったが、
子どもたちにはあまり何もさせないこの国では、
この場に来させただけでもよし、という感じなのかもしれない。

 料理は、カラフルで仕上がりもまずまず。
材料がインスタントラーメンということで、
試食の時にはもう麺が延びきってしまっていたのは残念だったが・・・
 インドネシアでの料理コンテストは、
この国で意外だな!
と思わせるような ひらめきと、出来事が重なって
とても興味深いものだった。
インドネシアでキャンプ、
帰るまでにはやりたいと思う。