2009年3月1日日曜日

職人の技



       2009年1月29日(木)
 最近良く通っている郡では、村の集落ごとに共同で仕事をしている場所(村人の高床式の家の一階部分)があり、
巡回がてらそこを視察させてもらっている。
今日は村で売るお菓子作りの講習会が開かれるというので、参加してきた。
 この村に入ると、道や家の庭のいたるところに素焼きの皿や鍋置きなどが干されていた。
お菓子作りをしていた場所でも、サンバル(唐辛子で作る調味料)用の皿や、鉢植え用のポット、貯金箱の入れ物などを作っているらしく、作業の様子を見ることができた。
 県内にある土を使用し、土と水をよく混ぜ合わせて粘土を作る。
その粘土を使い、手回しのろくろを使いながら手際よく形作り、乾燥させてから、野焼きをする。
出来上がったものは色をつけたりニスを塗ったりして、完成させるそう。
 キャンプ場でよく子どもたちと作ったものと同じだ。

手製のろくろを使い、器用に形作っていく。
ほんの2分くらいで1つのものを完成させる、その技にびっくり。
おばあさんにいつから仕事を始めたのかと尋ねると、小学校に入った頃からだという。
学校から帰ると毎日手伝っていたそうだ。
もう50年選手のイブの技は、思わず見とれるほどだった。
 
完成品は、国内の別の島に送られているという。
まだ、海外輸出はしていないらしい。
日本の100均でよく売っている植木用ポットと皿。
これらは、こういう小さな村で1個5円くらいで作られているのだ。
いくら物価の安い国だといっても、5円ではまんじゅう1個も買えない。
1日50個は作るといっていたから、それでも1日250円しか稼げない。(数人で)
ジュースが1本40円、ナシゴレン(チャーハンみたいなもの)が1皿80円位だから、
いかに1日の収入が低いかは分かるだろう。
これでも、仕事があるだけいいほうだ。
仕事がなく、日向ぼっこをしている人がたくさんいるのだから・・・
 単純にお金だけを計算すると、こんなにわずかな収入でどうやって
生活しているのだろうかと心配してしまうが、それでも生活は成り立っている。
 こんな村に昔ながらの職人が居て、その暮らしがある。
何ができるのだろう。
この私に・・・。

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