2009年6月26日金曜日

タカラールにある島ータナケケ島へ







     2009年5月29日(金)
 ずっと気になっていた島。
私が今通っている郡にある島だが、
郡にある船着場から約1時間かかる所で、
教育局の人たちもほとんど行ったことがないという僻地。
何度か「行ってみたい!」と上司や同僚に話してみたが、
「高波で危ないから!」「本土の人はほとんど行かないから」
という理由で、今まで行かせてもらえなかった。

 今回、JICAの別のプログラムで視察に行くことになり、
一緒に参加することができた!
通いなれた村の、船着場から出発。
村人には、「気をつけなさい!」「本当に怖くないのか?」
など、さんざん注意&引き止められつつ、舟に乗る。
日本でいう小型ボートか?
海釣りでよく乗ったものと同じタイプ。
5人も乗れば満杯になってしまうようなボートだが、
現地の人はこの舟に10人以上乗るらしい・・・

 島は思ったより大きく、2つの村に分かれていて、
別の村に行くには陸路ではなく舟を使うらしい。
今回主に4箇所を移動したが、すべてボートでの移動だった。
初めに行ったのが、村の識字教室。
この村では、県の支援がまだないためNGOが支援しているとの事。
そのNGOを支援しているのがJICAということになる。
だから、このNGOの活動内容を視察するのが今回の目的。

タカラール県では、非識字率(文字を読んだり書いたりできない人)は
20%~30%といわれており、2010年までにこれを0%に
近づけるよう、配属先は取り組んでいる。
本土では、私が赴任してきたときよりすでに驚異的なスピード?で
既学習者を増やしているのだが、
授業内容他をみると建前の部分が多く、
実際に村人がどれだけ学べるようになったのか?
という点においては疑問が多い。

 この村に行って驚いたことは、
ここでの非識字率は70%ということ。
この村で、学のある人がこのままでは・・・
ということで、NGOの協力の下識字教室を開いたという。
 はしくれとはいえ県の担当者?としてその場に居た私は、
こういう状況を知らずにいる自分や同僚に対して、腹が立った。
(知っているのかもしれないが、ほおっておいている状況?)
島に行かないのだから情報は何もなく、
だから改善されることもなく、村人が置き去りにされている。
島の生活者にとって、
本土に渡ることがなく一生を終える人も多いということだけれど、
だからと言って読み書きができないまま
一生を終えていいということではない。
 この事をきちんと伝えなければ!!と強く思う。
上司がどんな判断を下すのかは分からないけれど、
知った以上は責任がある。
うまくいえないけれど、この現実を通して
「生まれてきた環境の違い」の差の大きさを感じている。
 この1年県内をぐるぐる回っていた私は、
大まかな県内の状況や郡の状況の把握につとめていたのではあったが、
配属先や郡の担当者に連れられる私の行動範囲はすごく限られていて、
まだまだ私の見ているところは表面にしかすぎないのだと、
自分の力ではどうにもできない現実に直面した感じだ。
でも、知ったからには何とかしたい!
何かできるだろうか?
すごく考えてしまった・・・・

 ところでこのNGO(インドネシア)は多方面の取り組みを行っており、
水のタンクの取り付けや、島の収入源である海草の援助、
保健所に対しての指導や、手の洗い方講座などなど。
10種類以上あるプログラムがどう行われたのかを
村人に直接話を聞いたり、実物を見たりした。

プログラムの内容はさておき、分かったことはたくさんあった。
島では海水以外の水を確保することが難しく、
このタンクがあることで、水を売るという商売が成り立つ。
このタンクのある集落の人には無料で使用させ、
他の村の人たちからは少しだけ(日本円で1L3円位)お金を取るそうだ。
これで、このタンクの維持管理費をまかない、生活に役立てるとの事。
 この村にこのタンクがあることは、とてもありがたいとの話。
 
 県の手が届かない所は多く、こうした支援も入るのだが
知ってしまったからには私も何かできることをしたい。
帰ったらまずは同僚にこの現状を話してみよう・・・
自分の目で見たことをきちんと伝える以外に、今はまだ方法が浮かばない・・・

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